久しぶりに時間を持て余す自宅生活中、せっかくなのでAmazonプライムビデオで映画を見ようと色々と作品を検索。
とりあえず選んで見始めるのですが、途中で居眠りを繰り返す。
最低な映画鑑賞ですけど、サクッとラスト近くまで飛んでラストが面白かったらまた見直そう。と考えるけど、結局意味不明のラストの結末を見て終わり。
今回は夢中になれそうな新作には出会えませんでした。
で、じっくり2時間集中して見た映画は、過去に見たことのある映画。
レンタルビデオ(いつの時代?笑)で何度か見た以降、現在まで見ていなかった作品。
何作か見ましたが、今回紹介するのはAmazonプライムビデオなどのオンデマンドになかなか配信されていなかった1991年の作品「羊たちの沈黙」
やっとAmazonプライムビデオで配信されていたので、30年ぶりくらいに改めて見てみました。
羊たちの沈黙
あらすじ
映画史に刻まれるサイコ・スリラーの金字塔!
女性を誘拐し、皮を剥いで殺害する連続殺人事件の捜査を任命されたFBI訓練生のクラリス。彼女に与えられた任務は、9人の患者を惨殺して食べた獄中の天才精神科医レクター博士に協力を求め、心理的な面から犯人に迫ることだった。
GoogleAI検索より一部引用
「連続殺人鬼」の犯罪映画はたくさんありますが、ただ変態連続殺人鬼とそれを追う刑事との闘いというレベルとは違い、犯罪の心理的な面を重視して捜査する過程が見どころの映画である今作。
公開された1991年当時は、今までの犯罪者映画の数段上をいくストーリー構成だったと思います。
今でこそサイコ・スリラーというジャンルは確立されていますが、この映画が公開された当時、IQの高い知的エリート精神科医だった連続殺人鬼に(レクター博士)捜査中の連続殺人鬼のプロファイル捜査を依頼(協力)する。という設定は斬新だったと思います。
「羊たちの沈黙」以降、映画もドラマも悪役(犯罪者)の造形として多かった暴力的な異常者から頭脳犯・知的犯という造形に変わったような気がしますし、この映画が「サイコ・スリラー」という新たなジャンルを生み出した気がします。
また「羊たちの沈黙」以降「プロファイル」という言葉も多用され、今作と同じようにIQの高い犯罪者に迷宮入りしそうな事件の犯人をプロファイルさせるという設定も多くなった。
「プロファイリング」
今では当たり前のように映画やドラマの捜査の過程で聞くようにもなりました。
他の作品に大きなインパクトを与えた「レクター博士」
それを見事に演じ切ったアンソニー・ホプキンス。
聡明な紳士、IQの高い知的な紳士、美食家の紳士、猟奇的な凶器に満ちた顔を持つ男。
アンソニー・ホプキンスが紳士と狂気の面を瞬時に切り替えて演じていたからこそ、レクター博士という物語にしか登場しない人物が、身近にいる人物にも裏の顔に凶器の顔がありそうな気がして恐怖に感じられる。
アンソニー・ホプキンスが演じたからこそ、架空の人物だけどリアルに生きていそうな「レクター博士」を実写化できたのだと思っています。
ポスター&パッケージデザインのヒロインの唇の蛾の意味
「羊たちの沈黙」というと、あのポスターが印象的ですよね。
劇中のバッファロー・ビル事件でも死体の口にこの蛾のサナギが押し込められていたことが重要な手掛かりとなっていましたが、ポスターの意味する蛾は性同一性障害であるバッファロー・ビルが被害者の皮を剥いで着飾ること、変身を隠喩し、口元へ配置することで沈黙を表しています。
GoogleAI検索で一部引用
映画の中の犯人のバッファロー・ビルは変身願望を抱えたサイコですが、レクター博士も穏やかで知的な天才精神科医の側面と猟奇殺人鬼の側面への変貌を見せますし、FBI実習生(訓練生)であるクラリスも、映画の序盤は(幼虫)、今回の事件現場を経験し解決へと導き訓練生を卒業(脱皮)し変貌する。
主要登場人物たちの「変貌」の意味もあるのかなと思ったりします。
それとポスターに描かれている蛾は「メンガタスズメ」という蛾ですが、この蛾の成虫は背中にドクロのような模様があるため、英語ではDEATH'S HEAD MOTH(ドクロ蛾)などと呼ばれているそうです。
映画の内容をたった1枚のポスターで表現しているデザインが秀逸です。
2025年の今、この映画を見ると真新しさは感じられないかもしれません。
「羊たちの沈黙」以降、この手の作品は数えきれないくらい発表されていますから。
ですが、演じるキャスト、ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンスの名演は是非見て欲しい作品です。
今の時代のホラーを普通に見れる人なら問題なしですが、グロテスクなシーンも多少はありますので、苦手な人は注意して。
今回視聴する時に、初めは日本語吹き替え版で視聴しましたが、何かしっくりこなくて途中で字幕版に変更しました。
最近字幕を読むのが面倒ではあったのですが、この映画に限っては字幕版かなぁ~
クラリスとレクター博士が対峙する時のお互いの心理戦、字幕版の方が緊張感がより伝わってくると思った(決して吹き替え版が悪いわけではないです)
映画って若い頃に見た時の印象と、ある程度歳をとってから見直した時の印象は変わってくるものですね。
昔はあまり興味を持てなかった「ゴッドファーザー」シリーズとか、歳をとってから見ると色々と哀愁深い物を感じられたりしました。アルパチーノがいい。
この作品も同じ。
若い頃見た時はレクター博士の狂気シーンがホラーに属するような強烈な印象だったけど、歳をとりサスペンスやサイコスリラーの映画を見た数もあの頃とは格段に違ってくると、レクター博士の狂気のシーンよりも二人の一言一句聞き逃せない駆け引きの対峙に惹きつけられました。
現在は「羊たちの沈黙」と同じようなストーリーの作品は多々ありますが
名作と呼ばれる映画がなぜ名作なのか?
今回改めて見て分かる気がしました。
是非「羊たちの沈黙」見て欲しい作品です。
今日も読んで下さりありがとうございました。
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